磐梯吾妻と猪苗代

その湖や森や湿地が数十万年にわたる火山活動により形作られた、磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻・猪苗代区域の自然や歴史や文化を探索してください。過去の噴火により雄国沼湿原やカラフルな五色沼のような特徴的な地形が作られました。

地元コミュニティはこの生態系に敬意を表し、この生態系が生み出す恩恵や豊かさを享受しています。例えば、天然温泉を利用して、集客できる入浴施設を作り、訪問客を集めています。磐梯ゴールドラインや磐梯吾妻スカイラインのような見晴らしのいい道から、この地域の山や森の眺めを楽しむことができます。桧原湖周辺でのカヌー、キャンプ、魚釣りなどのアクティビティに参加すれば、自然環境と繋がることができます。

五色沼自然探勝路

五色沼は、1888年の磐梯山の噴火後に形成されたおよそ30の湖沼から成る湖沼群です。これらは火山の堆積物や、ケイ酸アルミニウム、鉄、銅、マンガンなどの鉱物粒子により独特の色をしています。そのカラフルな銅、青、緑の色合いは、光の条件、堆積物の変化、水面の反射などにより微妙に変化します。桧原湖までの4キロメートルの散策路は裏磐梯ビジターセンター近くから始まっており、この散策路を進むと、毘沙門沼や、るり沼など、五色沼のいくつかの横を通ります。この散策路沿いの地点から、遠くに磐梯山を見ることができます。

春と夏の間は、五色沼の周りの森林地は緑樹であふれます。秋になると、木の葉が赤色、オレンジ色、黄色の鮮やかな色合いになります。寒くなってくると、積雪により裏磐梯地域が白色で覆われます。冬にここを訪れると、自由に五色沼を散策することができますが、常に裏磐梯ビジターセンターで最新の天気と散策路の状態を確認してください。絶え間なく変化する自然風景が裏磐梯の植物の生物多様性や地質史を見せてくれます。

中瀬沼探勝路

中瀬沼は、1888年の磐梯山の噴火後形成された数多くの湖沼、湖のうちの1つです。この1.2キロメートルの平坦な散策路を進むと、噴火後に土石流により形成された小高い丘の横を通り、中瀬沼近くにある展望台に行くことができます。この展望台から、磐梯山を背にして中瀬沼の眺めを楽しむことができます。山の尾根では、噴火中磐梯山の山峰の1つが崩れ落ちたときに形成された噴火口を見ることができます。

暖かい時期には、中瀬沼周辺で、ウラギンヒョウモン(学名:Fabriciana adippe)やキマダラセセリ(学名:Potanthus flavus)などの蝶のほかに、胸の色が特徴的な黄色がかったオレンジ色をしたキビタキ(学名:Ficedula narcissina)や鶯(学名:Horornis diphone)を見ることができます。このあたりには、トンボや蝉や蛙も生息しています。

夏には、ヒナギクのようなサワオグルマ(学名:Tephroseris pierotii)の花が中瀬沼の沿岸を鮮やかな黄色に染め、淡い青色とピンク色の花びらをつけたエゾアジサイ(学名:Hydrangea serrata var. yesoensis)が景観のアクセントになります。秋には、オレンジ色や赤色の色彩が大地に広がり、冬になると、雪の層が大地を覆います。

雄国せせらぎ探勝路

雄国せせらぎ探勝路を歩いていると、雄子沢川の穏やかなせせらぎが聞こえてきます。この3.3キロメートルの散策路は国道459号からすぐの地点から始まっており、森を通り抜け、雄国沼まで行きます。この散歩道を歩くと、片道でおよそ1時間20分かかります。雄国沼周辺や周りの湿地には高山植物群が生育しています。木でできた遊歩道はこの湿原へのアクセスになっており、また高山植物群を損傷から守る役割もしています。雄国沼は、およそ40万年前に起こった猫魔ヶ岳の噴火後に形成されたものです。

雄国沼近くにある休憩舎には、猫魔ヶ岳の噴火が及ぼした影響について説明し、地質的特性や地域の植物相について紹介している情報板や地図があります。夏の間は、バイケイソウ(学名:Veratrum stamineum)やニッコウキスゲ(学名:Hemerocallis esculenta)やワタスゲ(学名:Eriophorum vaginatum)が、この湿原に咲き乱れます。冬には雪であたり一面白色で覆われます。