色とりどりの湖沼

五色沼は火山の堆積物や、ケイ酸アルミニウム、鉄、銅、マンガンなどの鉱物粒子により独特の色をしています。カラフルな銅、青、緑の色合いが、光の条件、堆積物の変化、水面の反射などにより微妙に変化します。磐梯山の北側斜面上部にある赤沼(銅池)と呼ばれる高酸性の火口湖は一部の湖沼に水を供給するミネラル豊富な泉源であると考えられています。裏磐梯ビジターセンターから桧原湖までの4キロメートルの散策路を進むと、多くの五色沼の横を通ります。この平坦な道を歩くと片道で約90分かかります。

生態系を回復するための
人間の努力

五色沼地域を含む裏磐梯の景観は、1888年の磐梯山の噴火により火山灰や岩屑や土石流に覆われてから20年近く不毛の原野のままでした。再植林を促進する政府の取り組みを通じて、人々は再植林に成功した場合の優遇価格でその地域の土地を購入することができました。商人で環境活動家でもある遠藤現夢(1863年-1935年)は、この地域の森林再生において重要な役割を果たしました。1917年、彼は林学教授の中村弥六(1855年-1929年)の指導の下、グループを率いて約13万本の赤松の苗木を植樹しました。彼らはその後も、スギ、ウルシ、カエデ、サクラ、そしてさらに多くの赤松を植え続けました。

遠藤氏らの努力から1世紀以上が経過した今、五色沼は動植物の繁栄する生態系を作り上げている鬱蒼とした森林に囲まれています。柳沼と青沼の間には遠藤氏の石碑が建てられています。