教育への取り組み

教育こそが、磐梯山ジオパークにおいて推し進める中心的価値です。ジオパークのスタッフは、磐梯山ジオパーク内にある磐梯町、猪苗代町、北塩原町の小中学校と協働して、教室と現地の両方で行うプログラムを実施しています。生徒は、エクスカージョンと実践的な活動を通じて、この地域の地質、歴史、独特の生態系を学びます。

ジオパークの教育プログラムでは、防災についての意識や軽減技術に重点を置いており、火山である磐梯山が実在するケーススタディとなっています。1888年にこの火山が噴火したとき、猪苗代で86人の住民が泥流により亡くなりました。この壊滅的な出来事の後、生き残った住民たちで協力して、コミュニティを復興させました。現在では、ジオパークのスタッフが自然災害管理に関するトレーニングを若い世代に対して行っています。

ジオパークではまた、他県から訪れる学生グループのためのプログラムも提供されており、ジオパークのスタッフは大学レベルまたそれ以上のレベルでの研究プロジェクトの支援を行っています。さらに、ジオパークの認定を受けた現地ガイドである、独立した「ジオガイド」が、ここを訪れた人にこの地域の歴史、文化、野生生物についての教育を行っています。

持続可能な発展に関する
取り組み

磐梯山ジオパークは、観光から得られる利益を利用する循環モデルを通じて持続可能な取り組みを行い、教育や保護を促進しています。磐梯山ジオパークのスタッフは、政府機関、研究グループ、企業、そして独立したジオガイドと協働して、自然環境と地元コミュニティの連結を構築しています。持続可能な発展に関する取り組みについては、4年に一度日本ジオパーク委員会が磐梯山ジオパークの再認定をするごとに見直し・検証を行います。

裏磐梯ビジターセンター、磐梯山噴火記念館、桧原歴史観などの施設は、磐梯山地方の歴史を文書にまとめています。ジオガイドはジオパークの認定を受けた、独立現地ガイドであり、ここを訪れた人にこの地域についてより深く知ってもらおうと、歴史的、文化的、地質学的に重要な場所を紹介しています。

保護に関する取り組み

環境保護こそが磐梯山ジオパークのミッションの中心であり、さまざまな活動やプロジェクトを通じて実施されています。磐梯山ジオパークは、草刈り、砂防、ごみの撤去、探勝路の点検など、危険の排除や看板標識のメンテナンスのためのタスクにより、磐梯山周辺の歴史、文化、自然に関する場所の維持管理を行っています。

磐梯山ジオパークは、さらに、環境省裏磐梯自然保護官事務所や裏磐梯エコツーリズム協会と一緒に保護プログラムも実施しています。保護に関するミッションの重要な部分として、この地域の自然環境を脅かす侵入種などの問題に取り組んでいます。

ジオパークのスタッフは、保護に関する最新の取り組みについての情報をコミュニティグループや、ジオパーク周辺を訪れた人にガイドを行う認証を受けた独立ジオガイドに発信しています。磐梯山ジオパークの一部は、これより大きな磐梯朝日国立公園内にあり、これら2つの施設は、環境省と提携のもと、協力して環境に関する取り組みを促進しています。

日本ジオパークネットワーク

日本ジオパークネットワーク(JGN)には50近くのジオパークが加入しており、うちの10か所はユネスコ世界ジオパークでもあります。このネットワークは、専門地質学者と地質学研究に携わる民間組織を繋げるために2007年に発足しました。その翌年に、最初のジオパークが指定され、このネットワークは、2009年にNPO団体となりました。磐梯山ジオパークは、2011年に日本ジオパークネットワークにより認定されました。世界中のすべてのジオパークと同様に、磐梯山ジオパークも4年に一度再認定が行われます。

日本国内のジオパークの監視、認定に加え、日本ジオパークネットワークは、交流会や情報共有イベントの開催、自然災害被災地への支援も行っています。日本ジオパークとユネスコ世界ジオパークの組織は、住民が対話に参加し、知識を共有し、またコミュニティや自然環境のための未来を一緒に構築することを優先させています。このアプローチは教育、保護、持続可能な発展の核となる価値に基づいています。

日本ジオパークネットワーク